脂肪燃焼させるためには筋トレより有酸素運動が大事と考えてる方が多いです。
- 「別にムキムキになりたいわけじゃないし」
- 「筋トレでごっつくなるの嫌だし」
- 「筋トレは無酸素運動だから脂肪燃えないでしょ」
- 「そもそも筋トレとかキツくて無理」
という感じで、「ダイエットのために筋トレをする」と考える人は少ないです。
でも実は、脂肪を燃やすという意味で筋トレは非常に有効なんです。
このエントリーでは、脂肪燃焼を促す筋トレの効果とやり方のポイントについて解説しています。
最後まで読んでもらえれば、筋トレに対するマイナスイメージが払拭できて「筋トレしなきゃ!」と思ってもらえるはずです。
脂肪燃焼と筋トレの関係
まず「筋トレと脂肪燃焼の関係」の要点を解説します。
【短期】代謝が上がり脂肪が燃焼されやすくなる
筋トレ自体は無酸素運動なので脂肪は減りませんが、筋トレをすることで脂肪に対してこの3つの効果があります。
- 代謝が上がる
- 脂肪代謝が優位になる
- 脂肪が分解されて燃焼されやすくなる
この3つは「筋肉が増える」「体が締まる」という筋トレの目に見える効果とは別の次元で、筋トレを始めた直後から効果が現れています。

詳しくは筋トレの3つの脂肪燃焼効果で解説しています。(ページ下部にスクロールします。)
【長期】基礎代謝が上がる
基礎代謝という言葉は聞いたことありますよね?
何もせずじっとしている時でも、体は生命活動を維持するために、心拍や呼吸・体温の維持などを行っていますが、基礎代謝量(単に基礎代謝ともいいます)はこれらの活動で消費される必要最小限のエネルギー量のことです。
出典:基礎代謝量 | e-ヘルスネット 情報提供
運動しなくても生きてるだけで消費されるエネルギーが基礎代謝です。
この基礎代謝のうち筋肉の割合が約2割です。
脳・肝臓もそれぞれ約2割を占めていて筋肉・脳・肝臓の3つが基礎代謝の中心になっています。(出典:加齢とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット 情報提供)
脳・肝臓の代謝は努力でどうしようもありませんが、筋肉はトレーニングで増やすことができます。
基礎代謝は10代がピークで加齢とともに低下します。その原因がズバリ「筋肉が減って脂肪が増えるから」なんです。

食事制限・有酸素運動では筋肉が減る
ダイエットを始める時、特に女性は食事制限を優先させる傾向があります。
摂取カロリーが消費カロリーを下回れば、運動しなくても体重は減っていきます。食べるより出て行く方が多いわけですからね、、、。
この時なにが減っているかというと、脂肪と一緒に筋肉も減ってしまいます。
筋肉は車でいうエンジンです。エンジンと同じで大きければ大きいほどエネルギーが消費されます。
アイドリング(=基礎代謝)も走行中(=運動時)も消費するエネルギー量は筋肉の量に比例するわけです。
食事制限で筋肉を減らしてしまうと、食事を増やした時には筋肉が減ってエンジンが小さくなっていますから、食事制限前より食事の量を減らしていても太ってしまうことになります。

↓こんな計算通りにはいきませんが、筋肉は減らすより増やした方がダイエット・脂肪燃焼に有効なのは間違いないです。
筋肉を1kg増やしてやると、消費カロリーが1日当たり最大50kcal増えるといわれています。(中略)1年間に増える消費カロリーは50×365=1万8250kcal。体脂肪は1g 7.2kcal、1kgで7200kcalですから、単純計算で年間1万8250÷7200≒2.5kgずつやせていく計算になります。
出典:筋トレと栄養の科学 お腹を凹ませて、太らないカラダになるための真実67 坂詰 真二/石川 三知
筋トレの3つの脂肪燃焼効果
1.代謝が上がる
筋トレをすると、トレーニング後少なくとも6時間は代謝が上がることが分かっています。
「代謝が上がる」を分かりやすく言うと、筋トレ後は心拍数や呼吸が平常時に戻っても、ちょっと体を動かすだけで汗をかきやすかったりしますよね?
それが代謝が上がってる証拠です。
代謝が上がると普通に歩いたり階段を上り下りするだけでも消費カロリーが増えます。
(アメリカの研究グループでは48時間続くという結果もあります。)
「脂肪は運動しないと燃焼しない」と思ってる方も多いですが、基礎代謝や日常生活で動いているだけでも脂肪は燃焼されています。

2.脂肪代謝が優位になる
「日常生活でも脂肪は燃焼されている」と前項に書きましたが、筋トレをしていない平時は糖質と脂質 5:5の割合でエネルギーとして利用されています。
それが、筋トレ後の代謝が上がっている状態は糖質と脂質 4:6あるいは3:7まで脂肪が使われる割合が高くなることが分かっています。
筋トレ後にゴロゴロしていてはいけませんが、特別運動しなくても歩きや自転車での移動、階段の上り下りや掃除などの日常生活でも、糖質より脂肪が多めに消費されます。

3.脂肪が分解されて燃焼されやすくなる
筋トレをすると交感神経を刺激してアドレナリンが分泌されます。
また、筋肉を修復したり成長させるために成長ホルモンも分泌されます。
この二つには、脂肪細胞の中の中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解する作用があって脂肪は脂肪酸になってはじめて、厄介な脂肪の塊からエネルギー源に変化します。
(脂肪のエネルギーのほとんどは脂肪酸に含まれる)
アドレナリンより成長ホルモンの方が脂肪分解作用が強くて、分泌が終わってもその後6時間も脂肪を分解し続けてくれます。
「脂肪が分解されて、代謝が増えて、糖より脂肪代謝が優位になる。」
目には見えませんが、筋トレをすることで体の中で脂肪が燃焼されやすい状態ができているわけです。

脂肪燃焼を助ける漢方
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)ご存知ですか?お腹周りの脂肪の燃焼を助ける漢方としてたくさんの製薬会社から発売されています。小林製薬のナイシトールZもこれです。筋トレ+αで脂肪の燃焼効率を上げたい方は医薬品の力を借りるのもアリです。
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というわけで、筋トレと有酸素運動 それぞれのポイントを詳しく解説します。
脂肪燃焼のための筋トレのポイント
筋トレは午前中にするのがおすすめ
前項で解説した通り、筋トレ後には代謝が上がって、脂肪代謝が優位な状態が少なくとも6時間続くことが分かっています。
代謝が上がっても、脂肪代謝が優位でも「筋トレ後に体を動かさなかったらもったいない」と思いませんか?
夕方・夜に筋トレすると、その後は「飯食ってテレビ観て寝る」という行動になりがちで、日中より体を動かす量が少ないです。
筋肉を大きくするという意味では、筋トレ後に食事をしてたんぱく質を摂ると効果的だし、睡眠時に筋肉が成長しますから寝るのも悪くありません。
でも、ここでは脂肪燃焼が目的ですから、午前中に筋トレしてその後の6時間は有酸素運動したり、意識して体を動かして脂肪燃焼ゴールデンタイムを有効活用しましょう。
朝に筋トレするなら軽いウォーミングアップを
朝は体温が低めで筋肉も温まっていなくて硬い状態です。だからいきなり筋トレをすると怪我をするリスクもあります。
高齢な方や血圧の高い人は心筋梗塞や脳梗塞、血圧の急上昇などのリスクがあります。
だから、筋トレ前にウォーミングアップして体を温め筋肉をほぐしましょう。例えば
- 10分程度のウォーキング
- ラジオ体操などの動的ストレッチ
- お風呂に入る
などです。
これで怪我しにくくなります。朝いきなり負荷の強い筋トレをするのは危険です。
高齢の方や生活習慣病や持病がある方は、運動のタイミングについて医師に相談してください。
筋トレは毎日しない
筋トレは毎日してはいけません。毎日筋トレしてしまうと、筋肉にトレーニングの疲労が蓄積されてしまいます。怪我しやすいですし、筋肉が大きくなりません。
筋肉は疲労から回復する時に「超回復」を起こします。超回復することで少しずつ筋肉が大きくなるんです。
前回の筋トレ時よりも筋肉は少しだけ高くなります。これを“過去を超える回復″という意味で「超回復」と呼ぶのです。筋肉は、次に同じ刺激が来ても耐えられるように超回復を起こすと考えられています。
出典:筋トレと栄養の科学 お腹を凹ませて、太らないカラダになるための真実67 坂詰 真二/石川 三知
この超回復の作用がピークを過ぎた頃に次の筋トレをすることで、段階的に筋力がアップして行きます。
その間隔が2~3日おきです。
4日以上あけてしまうと、超回復が終息して筋トレ前のレベルに戻ってしまうので、なかなか筋力アップしません。その場で足踏みしてるような状態です。

毎日するなら部位を変える
ここで解説してる筋トレは、脂肪燃焼させるための筋トレなので1回の筋トレで全身くまなくトレーニングするほど時間が取れないという方も多いでしょう。
だから、↓このように3日サイクルで鍛える部位を変えて筋トレ+有酸素運動を毎日やるのもおすすめです。
- 1日目:下半身
- 2日目:腹筋・背筋
- 3日目:腕・胸・背中
筋トレと組み合わせる有酸素運動のポイント
筋トレ後6時間に短くてもいいから動く
「有酸素運動は20分以上継続しなきゃ無駄」とか「40分続けたあとから脂肪が燃える」と言われてきましたがそんなことありません。
筋トレを行わずに有酸素運動から始めると、脂肪燃焼が活性化するまでに15~20分くらいかかりますが、筋トレ後だとアドレナリン・成長ホルモンの効果で有酸素運動する前から脂肪の分解が進んでいるので運動を始めた直後から脂肪がバンバン燃焼されます。
筋トレ後は成長ホルモンの脂肪分解作用が6時間続いていますから、筋トレ後10分のウォーキングでも有効だし、間隔をあけて10分、また後で10分というパターンでも脂肪は燃焼されます。
筋トレ後6時間の間に短くてもいいから動くことが大切です。
心拍数を上げすぎない
脂肪を燃焼させるには大量の酸素が必要です。心拍数を上げすぎてしまうと無酸素運動になってしまうので脂肪が燃えません。
最大心拍数の60~80%が脂肪燃焼されやすい心拍数です。目標心拍数は以下のページで詳しく解説しています。
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脂肪燃焼しやすい心拍数の有酸素運動「辛い=やせる」は間違いです!
効率的に脂肪を燃焼させるには心拍数が大事です。「ダイエットに有酸素運動がいい」というのはよく知られていますが、心拍数を気にしてる方は少ないです。心拍数は高すぎても低すぎても脂肪を燃やすのに効率的じゃありません。せっかくやるなら目標心拍数を設定して頑張りましょう!
できれば心拍計を使って正確に測りたいところですが心拍計がない場合は、
運動しながら手首の内側の血管に反対の手の人差し指・中指・薬指を当てて6秒間の拍動を数えます。その数を10倍した数値が1分あたりの心拍数です。
極端な食事制限はしない
「1日1食にする」とか「●●しか食べない」「朝・昼は●●に置き換える」といった極端な食事制限をしながら、筋トレ+有酸素運動をするのはおすすめできません。
短い期間で体重は落ちるかもしれませんが、たんぱく質不足で筋肉が大きくならないし、エネルギー不足の状態で有酸素運動してもたんぱく質が分解されて筋肉が減ってしまいます。
せっかく辛い思いをして筋トレをしても、筋トレの効果が現れにくく、結果的に食事を戻した時にリバウンドしやすい体質(=痩せにくい・太りやすい体質)になってしまいます。
食事は低カロリー・低脂質を心がけて、たんぱく質・カルシウムや野菜は積極的に食べるようにしましょう。
糖質は完全にカットしたり極端に減らすと、エネルギー不足でたんぱく質が分解されてしまいますから、食べ過ぎていた分を減らす程度にしましょう。
【まとめ】筋トレで脂肪燃焼を加速させましょう!
いかがでした?
脂肪燃焼に筋トレが有効なのが分かって驚かれたのではないでしょうか?
筋トレは続けてもなかなか成果が見えにくい運動で「成果を感じるまで3ヶ月は必要」と言われています。効果の見えないことを3ヶ月続けるのはなかなか辛いです。
でも、筋トレ直後から体が脂肪燃焼されやすい状態に変化してると思うと、筋トレを続けるモチベーションになりますよね。
- 代謝が上がる
- 脂肪代謝が優位になる
- 脂肪が分解されて燃焼されやすくなる
そして筋トレを続けた先には、筋力がアップして基礎代謝が上がり、痩せやすい・太りにくい体質になれます。
女性は「筋トレすると体重が増える」とか「ゴツゴツした体になる」と心配する人もいますが、
日に日に体重が増えるほど筋肉の成長は早くありませんし、アスリート級のトレーニングをするわけじゃないのでゴツい体型になるなんて心配は無用です。
女性はホルモンの関係で男性より筋肉がつきにくいですから安心して筋トレしてください。
そして、筋トレ後に有酸素運動をして、筋トレで分解された脂肪をどんどん燃やしましょう!